浦安ドキュメンタリー映画大賞

素晴らしい、心に残るドキュメンタリー映画にみんなで喝采を送ろうと、2014年から始めた「浦安ドキュメンタリー映画大賞」。一年間でご覧になったドキュメンタリー映画の中でおすすめの作品(3本まで)を投票いただいて大賞作品を毎年決めている賞です!

第10回浦安ドキュメンタリー映画大賞2023 大賞決定!!
★大賞受賞作品:『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』
(監督:寺田和弘/2022年/124分/日本)

大賞:『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』
監督:寺田和弘/2022年/124分/日本
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2011年3月11日に起こった東日本大震災で、宮城県石巻市の大川小学校では津波にのまれる形で全校児童の7割に相当する74人の児童(うち4人は未だ行方不明)と10人の教職員の命を失った。地震発生から津波到達までには約51分、ラジオや行政の防災無線で情報は学校側にも伝わりスクールバスも待機していたにも関わらず、学校で唯一の多数の犠牲者を出した。この惨事を引き起こした事実・理由を知りたいという親たちの切なる願いに対して、行政の対応には誠意が感じられず、その説明に嘘や隠ぺいがあると感じた一部の親たちは真実を求め、市と県に対して提訴に至った。この裁判の代理人を務めたのは吉岡和弘、齋藤雅弘の両弁護士。わずか2人の弁護団で、「金がほしいのか」といわれのない誹謗中傷も浴びせられる中、原告となった親たちは事実上の代理人弁護士となり証拠集めに奔走する。裁判で最も辛かったのは子どもの命に値段をつけなければならないことだった。それを乗り越え5年にわたる裁判で「画期的」な判決を導く。親たちがのべ10年にわたって記録した膨大な映像を寺田和弘監督が丁寧に構成・編集し、追加撮影もあわせて後世に残すべき珠玉の作品を作り上げた。
-2023年第78回毎日映画コンクールドキュメンタリー賞受賞
-2023年第97回キネマ旬報文化映画ベスト・テン第2位
次点(2位)『ただいま、つなかん』(風間研一監督/2023年/日本/115分)
3位:『燃えあがる女性記者たち』(リントゥ・トーマス&スシュミト・ゴーシュ監督/2021 年/インド/93 分)
4位:『ヤジと民主主義 劇場拡大版』(山﨑裕侍監督/2023 年/日本/100 分)
5位:『国葬の日』(大島新監督/2023 年/日本/88 分)

第9回浦安ドキュメンタリー映画大賞2022
★大賞受賞作品:『教育と愛国』
(監督:斉加尚代/2022年/107分/日本)

大賞:『教育と愛国』
監督:斉加尚代/2022年/107分/日本
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軍国主義へと流れた戦前の反省から、戦後の教育は政治と常に一線を画してきたが、昨今この流れは大きく変わりつつある。2006年に第一次安倍政権下で教育基本法が前文から書き換えられ、「愛国心」が戦後初めて盛り込まれた。以降「教育改革」「教育再生」の名のもとに、目に見えない力を増していく教科書検定制度。「日本軍」慰安婦や沖縄戦を記述する教科書を採択した学校に大量の抗議ハガキが押し寄せる。 政治介入ともいえる厳しい状況の中で出版社と執筆者が自由に書けないという自己規制はい ま現在も続く。本作は、歴史の記述をきっかけに倒産に追い込まれた大手教科書出版社の元編 集者や、保守系の政治家が薦める教科書の執筆者などへのインタビュー、新しく採用が始まった教科書を使う学校や、慰安婦問題など加害の歴史を教える教師や研究する大学教授へのバッシング、さらには日本学術会議任命拒否問題など、大阪・毎日放送(MBS)で20年以上にわたって教育現場を取材してきた⻫加尚代ディレクターが、「教育と政治」の関係を見つめながら最新の教育事情を記録した作品である。教科書は、教育はいったい誰のものなのか・・・
-2022年第65回JCJ大賞
-2022年度日本映画ペンクラブ会員選出ベスト映画 文化映画ベスト1
-2022年度全国映連賞特別賞(斉加尚代監督)
-第40回(2022年) 日本映画復興奨励賞
次点(2位):『百姓の百の声』
柴田昌平監督/2022年/130分/日本

第8回浦安ドキュメンタリー映画大賞2021
★大賞受賞作品:『水俣曼荼羅』

水俣曼荼羅メイン

大賞:『水俣曼荼羅』
原一男監督/2020年/372分/日本
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日本四大公害病の一つとして知られる水俣病。その補償をめぐっていまだ裁判の続く患者たちの戦いを15年に渡って撮影し、5年間の編集を経て完成させたドキュメンタリー。裁判の経過とともに人々の日常生活や水俣病をめぐる学術研究までが網羅された一大叙事詩。
-第76回毎日映画コンクール ドキュメンタリー映画賞
-第95回キネマ旬報ベスト・テン 文化映画作品賞
-2021年度日本映画ペンクラブ会員選出ベスト映画 文化映画ベスト1
次点(2位):『香川1区』
大島新監督/2022年/日本/156分

第7回浦安ドキュメンタリー映画大賞2020
★大賞受賞作品:『なぜ君は総理大臣になれないのか』

浦安ドキュメンタリー映画大賞ロゴ2020なぜ君メイン

大賞:『なぜ君は総理大臣になれないのか』
大島新監督/2020年/日本/カラー/119分
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衆議院議員・小川淳也、49歳。2019年の国会質疑で統計不正を追及し、SNSで「統計王子」「こんな政治家がいたのか」と注目を集めた。それまではほぼ無名だった野党議員を、17年間にわたって撮影し続けたドキュメンタリー。
- 2020年度 キネマ旬報文化映画ベスト・テン第1位
次点(2位):『プリズン・サークル』』
坂上香監督/2019年/日本/136分

第6回浦安ドキュメンタリー映画大賞2019
★大賞受賞作品:『主戦場』

浦安ドキュメンタリー映画大賞ロゴ2019主戦場メイン

大賞:『主戦場』
ミキ・デザキ監督/2018年/122分/アメリカ合衆国
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日系アメリカ人映像作家ミキ・デザキが慰安婦問題をめぐる論争をさまざまな角度から検証、分析したドキュメンタリー。慰安婦問題について、デザキの胸をよぎるさまざまな疑問を検証すべく、日本、アメリカ、韓国、肯定派と否定派それぞれの立場で論争の中心にいる人びとに取材を敢行。さらに膨大な量のニュース映像や記事の検証を交え、慰安婦問題を検証していく。
次点(2位):『福島は語る』
土井敏邦監督/2018年/170分/日本

第5回浦安ドキュメンタリー映画大賞2018
★大賞受賞作品:『沖縄スパイ戦史』

浦安ドキュメンタリー映画大賞ロゴ2018沖縄スパイ戦史メイン写真

大賞:『沖縄スパイ戦史』
三上智恵監督&大矢英代監督/2018年/114分/日本
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2人のジャ ーナリストが長期かつ緻密な取材で迫った沖縄戦の最も深い闇。少年ゲリラ兵「護郷隊」、戦争マラリア、スパイ虐殺……。そして、戦後70年以上を 経てついに明かされる陸軍中野学校の「秘密戦」とは?
-2018年 キネマ旬報又化映画ベスト・テン第1位
-2018年 日本映画ペンクラブ賞文化映画部門1位 ほか
次点(2位):『獄友』
金聖雄監督/2018年/115分

第4回浦安ドキュメンタリー映画大賞2017
★大賞受賞作品:『MOTHER FUCKER』

浦安ドキュメンタリー映画大賞ロゴMotherFuckerメイン写真

大賞:『MOTHER FUCKER』
大石規湖監督/2017年/98分/日本
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1992年から25年間、ある意味で正体不明、謎の音楽レーベルであり続ける集団”Less Than TV”の代表・谷ぐち順に密着したドキュメンタリー。レーベル運営に音楽活動、子育てに障がい者介助の仕事、そこに集う仲間たち・・・。アンダーグラウンドを痛快に駆け抜ける谷口とレーベルの日常を追う。
次点(2位):『「知事抹殺」の真実』
安孫子亘監督/2016年/80分

第3回浦安ドキュメンタリー映画大賞2016
★大賞受賞作品:『クワイ河に虹をかけた男』

浦安ドキュメンタリー映画大賞ロゴクワイ河メイン写真

大賞:『クワイ河に虹をかけた男』
満田康弘監督/瀬戸内海放送制作/2016年/119分/日本
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アジア太平洋戦争時、陸軍通訳だった永瀬隆さんが関わった泰緬鉄道建設に対する、戦後の贖罪と和解の人生を、地元・岡山の放送局記者が20年にわたって追い続けた感動のドキュメンタリー。
- 2016年 第22回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞
次点(2位):『五島のトラさん』
大浦勝監督/テレビ長崎制作/2016年/114分/日本

第2回浦安ドキュメンタリー映画大賞2015
★大賞受賞作品:『天皇と軍隊』

2015浦安ドキュメンタリー映画大賞ロゴ天皇と軍隊

大賞:『天皇と軍隊』
渡辺 謙一監督/2009年/90分/フランス
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曖昧で矛盾をはらんだ日本の戦後史を、学者や政治家など数々のインタビ-ューや世界中から集めた貴重なアーカイ ブ映像を交えて描いたフランス発のドキュメンタリー。
- 2010年 FIGRA映画祭歴史部門コンペティション参加作品
次点(2位):『それでも僕は帰る~シリア 若者たちが求め続けたふるさと~』
タラール・デルキ監督/2013年/89分/シリア

第1回浦安ドキュメンタリー映画大賞2014
★大賞受賞作品:『標的の村』

浦安ドキュメンタリー映画大賞ロゴ標的の村メイン写真

大賞:『標的の村』
三上智恵監督/2013年/91分/日本
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新型輸送機オスプレイ配備や、ヘリパッド建設に反対する沖縄県東村・高江の住民たちの姿を追ったドキュメンタリー。2012年9月のオスプレイ配備の際、普天間基地ゲート前に座り込み22時間にわたり基地を完全封鎖した人々と、強制排除に乗り出した警察との攻防を映し出す。
- 2013年 山形国際ドキュメンタリー映画祭市民賞・日本映画監督協会賞受賞
- 2013年度 キネマ旬報文化映画ベスト・テン第1位
次点(2位):『ある精肉店のはなし』
纐纈あや監督/2013年/日本/108分