SF・ミーツ・ドキュメンタリー!

「エルストリー1976 新たなる希望が生まれた街」

Dr.G.Hotter(SF映画研究家)

2016年12月「スターウォーズ」のスピンオフ作品「ローグワン・スターウォーズ・ストーリー」が全世界で公開された。スターウォーズ(以下SW)はジョージ・ルーカスが作り上げた宇宙冒険活劇映画である。SFのジャンルとしてはスペースオペラと呼ばれるものだ。1977年に公開されると世界的大ブームを巻き起こし、それまで一部のオタクやお子様向けと思われていたSF映画の地位を一躍ヒットジャンルに押し上げ、ハリウッドのシステムに変革をもたらし、その後のポップカルチャーに絶大な影響を与えた。音楽で言うところのビートルズみたいなものである。ジョージ・ルーカス、そしてスティーヴン・スピルバーグの出現によってハリウッドは制作スタイルや作品の傾向をガラリと変え、それまでとは比較にならないレベルで世界のマーケットを席巻する事となった訳である。そう言う事でいいよね?

さてSWはその後本家となるシリーズが現在7作を数え、今年8作目が公開予定である。2年後には9作目が公開され一応SWサーガはそこで終了する予定だ。もっともルーカスがかのディズニースタジオにSWの権利を売ったので今後延々とシリーズが作られていくような事もあるかも知れない。ローグワンのようなスピンオフ作品も本家の合間に続々と公開予定となっている。これまでも作品中に登場するクマさんのようなキャラクターを扱った「イウォーク・アドベンチャー」やウーキー族の故郷を描いた「ホリデイ・スペシャル」、また「クローンウォーズ」等のアニメを中心としたスピンオフ、「スペースボール」「ハードウェアウォーズ」「親指スターウォーズ」「ロボットチキン」等のパロディ、お子様向けの「レゴスターウォーズ」、SWのファンに焦点を当てた「ファンボーイズ」、SWに似すぎているとしてルーカスに訴えられた「宇宙空母ギャラクティカ」、あからさまでチープな模倣のトホホ映画「スタークラッシュ」「宇宙の7人」香港映画「スターフォース」、日本映画「宇宙からのメッセージ」「惑星大戦争」等、数えきれないほどの関連作やパクり作品、乗っかり商法的作品が世に出ている。SWとは何と巨大な存在なのか。音楽で言うところのビートルズみたいなものである…ってさっき言ったよ!

「メイキングオブスターウォーズ」なるビデオが単独で発売され、「こりゃ商売になるわ」とばかりにいわゆるメイキング物が浸透したのもスターウォーズからではなかったか?ドキュメンタリー作品についても例えばDVD等映像媒体が発売される度に作品を修正加工し過去に発表したバージョンを無かった事にしてしまうルーカス先生にファンが激怒、抗議する「ピープルVs.ジョージ・ルーカス」なんていう代物もある。
そして昨年「ローグワン」と同時に「エルストリー1976」というドキュメンタリーが密かに公開された。この作品はSWに大量に登場する宇宙人やドロイド(ロボット)等の着ぐるみに入っていた人々にスポットを当て、SWについて時代の検証を行う。単なるメイキングではなく映画業界や役者の人生、社会現象についての考察等を淡々と描いたものだ。エルストリーとは撮影スタジオの名前である。登場する人物は以下のキャラクターに入っていたスーツアクターを含む大勢である。ダースヴェイダー(説明しないよ)、ストームトルーパー(突撃隊員)、ボバ・フェット(賞金稼ぎ)等々マニアには堪らないキャラクター達である。尚、余談ではあるがダースヴェイダーは中に入っているのは大柄なD・プラウズ、そして声の担当はJ・R・ジョーンズという別の俳優で大変手の込んだキャラクターである。

こうしてまたスターウォーズ伝説は続いていく…。最後に昨年12月に亡くなったレイア姫役のキャリーフィッシャーさんのご冥福を心よりお祈り申しあげます。
フォースとともにあらんことを。

※2017年発行サポーター通信の原稿を一部修正

「エルストリー1976 新たなる希望が生まれた街」
監督:ジョン・スピラ 出演:デヴィッド・プラウズ ジェレミー・ブロック他 / 102分
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=EitCWeEkIMw

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第8回うらやすドキュメンタリー映画祭